デルモ・ニューロ・モジュレーティング(Dermo Neuro Modulating:DNM)とは
デルモ・ニューロ・モジュレーティング(Dermo Neuro Modulating:DNM)とは、皮膚の神経(皮神経)や末梢神経を変化させることにより、圧痛の軽減、疼痛の緩和、関節可動域の改善を目的としたアプローチであり、疼痛科学と神経科学をベースにしたアプローチでもあります。ちなみに、Dermoは皮膚、Neuroは神経、Modulatingは変化、という意味であり、提唱者Diane Jacobs氏によって、このアプローチはDermo Neuro Modulatingと命名されました。
デルモ・ニューロ・モジュレーティング(Dermo Neuro Modulating:DNM)では、末梢神経や皮神経の絞扼(締めつけ)が、押すと痛みを感じる圧痛点の原因であると考えています。なぜなら、末梢神経には血管が並走しており、絞扼や圧迫や伸張などによりその血流が滞り、神経内の侵害受容性線維が刺激されることで、痛みなどの症状が起こるからです。
実際には皮膚の神経であれば皮神経と血管が変化するようにスキンストレッチ(皮膚の伸張)を行います。筋肉の中などを通る深い神経は、関節を曲げることで神経自体を短く太くして血流を促します。
結果的に圧痛は減り、疼痛も緩和し、可動域も増えます。神経系が警戒しないようテクニックは優しく、ゆっくり、軽く行います。また、筋肉の持続的な収縮状態は、筋肉が原因ではなく、侵害刺激による脊髄反射が原因であり、他の徒手療法ではあまり重視していなかった脳を含めた神経系へのアプローチこそが慢性疼痛の改善にとってとても重要だと考えています。
DNM 7つの特徴
- 痛みをできるだけ与えない。
- クライアントの感覚を大切にする。
- 心地よいという感覚を大切にする。
- Less is moreに神経系全体へフォーカスを向ける。
- 皮神経と末梢神経の血流を促す。
- 変化するまで静かに待つ、優しいアプローチ。
- 最新のペインサイエンスに基づいたアプローチ。